今日、風のにおいがちがった

朝、家を出たときに感じた風のにおいが、昨日までと少しちがっていた。どこか乾いた、土と太陽が混ざったような、夏のにおい。空気が軽くなっていて、肌に触れる風にも勢いがある。窓の外では蝉が鳴きはじめ、日差しが強くなった分だけ、木陰の涼しさがありがたく感じる。つい最近まで上着を羽織っていたのに、いつのまにか季節は一歩先に進んでいた。

こういう変化を感じられるのは、忙しさの合間にふと立ち止まったときだけ。

今年の夏は、できるだけ立ち止まる時間を持ちたいと思う。冷たい麦茶の味とか、夕立のにおいとか。子供との思い出も。みんなが忘れてしまったとしても私だけは覚えていられるように。

2025年7月17日
鉄旅ライフ編集部
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